1.出来そうで出来ない当たり前のことを継続して実行する
誰でも、入社していきなりやりたい仕事や責任ある仕事を任されることはありません。むしろ関係無い仕事、やりたくない仕事、「別にオレじゃなくてもいいじゃん」と思えるような仕事が回って来ることの方が多いでしょう。ところが、この「オレじゃなくても・・」と思える仕事への取り組み方で成長度合いが大きく変わって来るのです。
例えば、会議用の資料のコピーを命じられたとします。まさしく誰にでも出来る仕事です。しかし、漫然とコピーを取るのではなくどんな内容の会議なのか、どの部門が関わっているのか、といったことに興味を持って見れば、会社全体の動きが見えて来ます。同じように「倉庫を片付けておいて」と命じられれば、会社が扱っている商品を直に手に取ったりすることも出来ます。電話を積極的に取っていれば、誰に何処から掛かって来るのか、それはどんな要件かといったことも把握することが出来ます。
ある飲食店に勤めていた若者は、厨房係になった時にお客の食べ残しの処理を担当していました。それこそ先輩達から押し付けられた部分もあったようですが、連日食べ残しを処理するうちに曜日や時間帯によって傾向が変わることに気付いたそうです。そこで、店長にメニューの提案をしたところ採用され、売上アップと廃棄コストの削減に繋がり大いに評価されました。その結果、翌年には本部の管理部門に異動に栄転となったと聞きました。このように「誰がやってもいい仕事」にこそ、実はその会社全体を把握出来る情報が溢れているのです。もちろん守秘義務というものがあるので迂闊に他人に話すことは厳禁ですが、自身の勉強のために活用する分には問題ありません。
加えて、こうした仕事を積極的に引き受けていると周囲からの評価も変わって来ます。「みんな嫌がる仕事を引き受けるなんて、やる気のある新人だな」というような見方になり、顔と名前をいち早く覚えてもらえたり、新たな仕事のチャンスをもらえるきっかけにもなるのです。「オレじゃなくても誰でもいいじゃん」ではなく「誰でもいいならオレがやる」の意気込みで取組んで行きましょう。