就活コラム

企業が適性検査クレペリンを行う目的と対策方法

2018/10/01

Column

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1.クレペリン検査とはなにか

適正検査にもいろいろな種類があります。

代表的なところでSPIやSPI3、GAB、玉手箱Ⅲなど、さまざまです。

どれも対策本が出ていたりして、就活生の皆さんも対策をされていると思います。

 

しかしクレペリン検査は、ひたすら足し算を解く、というお手軽な検査方法のためか、あまり対策に時間を取られていない方も多いようです。

ですが、単純だからこそ、スペックが顕著に表れてしまうのがこのクレペリン検査です。

SPIなどと同様に対策をしておく必要があります。

対策法をいくつかご紹介しましょう。

  1. 対策本を使って学習
  2. アプリを使って学習
  3. 車のナンバープレートなど身近な数字の足し算をする
    ※これは実際に私もやっていましたが、なかなか効果的です。

また、そもそも健康状態が万全でなければ、対策をしても良い結果は生まれません。

ですので、試験前日はよく睡眠を取って臨むことも大切です。

 

長時間計算し続けるのはきついものです。

しかしシンプルだからこそ、慣れが良い結果を生みやすいのもまた事実。

きちんと対策をして、内定を勝ち取ってくださいね!

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2.クレペリン検査を企業が採用する理由

なぞの計算を延々させられるクレペリン検査について、やり方を前項でお伝えしましたが、そもそもこの検査でなにがわかるのでしょうか。

この検査でわかるのは、以下の二つです。

  1. 能力面の特徴:作業に対する処理速度や、作業効率がわかります。
  2. 性格・行動面の特徴:作業に対する個人の性格的傾向、癖などが見られます。

人にはいろいろな個性がありますが、官公庁や大手企業において、このクレペリン検査が導入され続けている理由は、まさにこの「作業に対する」個人の特徴を明らかにできるためです。

本当は要領がそれほどよくない方であっても面接なら「効率よく作業を進められます」と言えます。

が、クレペリン検査は作業速度や効率も明確にしてしまうので、面接のように取り繕うことは不可能です。

つまり、クレペリン検査を導入し、重要視する企業がある理由は、実際に仕事をしたとき、その人がどんなパフォーマンスを発揮するのか、能力とモチベーションの両面から確認することで、自社への適正が就活生にあるかどうかが見極められるためなのです。

 

官公庁や大手企業では、求人枠に対して、数十倍、数百倍の応募者が殺到します。

その一人一人の仕事における特性を見極めることは、正直、かなりの負荷を採用側にかけるでしょう。

しかしこのクレペリン検査を用いることで、手軽にふるいにかけることが可能となるため、就活における最初の関門としてクレぺリン検査を導入する企業は多いようです。

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3.企業が求める理想的なクレペリン検査の結果とは

クレペリン検査とは、正式名称を内田クレペリン精神検査と言い、現在のように産業界や教育界で実用化されたのは1950年代からになります。

60年以上の歴史を持っていることからも、信頼性の高い適正検査であることがわかりますね。

では、具体的にどのようにこの適正検査は進められるのでしょうか?

やり方を見てみましょう。

 

【クレペリン検査のやり方】

受験生の手元に配られるのは、横書きで、ひたすら数字が記載された用紙です。
羅列されている数字は3~9までの一桁ずつです。

この用紙を使って、以下の要領で検査は進められます。

 

① 隣り合った二つの数字を足し、足した合計の一の位を、二つの数字の間に記載する。
 3 8 6 5 4・・・の場合、
 3+8=11(一の位 1) 8+6=14(4) 6+5=11(1) 5+4=9(9)
となりますので、

 3 8 6 5 4・・・
  1 4 1 9 ← このように、足した数字の間に一の位を記入していきます。

 

② 一行は1分で解き、試験官の合図で次の行へ移る
  大体は、一行全部を完了することはできません。

 

③ 15分間、1分ごとに一行解くのを続けた後、5分休憩 その後、再度15分同じ作業をする

 

ここまで聞いて、「こんなのになんの意味が?!」と思われた方も多いのではないでしょうか。

私自身、そう思っていました。が、これにはちゃんと意味があり、思いも寄らないことがわかってしまうのです。

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4.クレペリン検査で泣かないために

では、どんな結果なら、合格ラインなのでしょう。

それを知るために、どのようにして作業適正を判断しているのかを見ていこうと思います。

 

クレペリン検査の計算結果で見ているのは以下の三つです。

この三つから、作業に対する特徴を弾き出しています。

① 作業量 (全体の計算量)→ 能力面の特徴
仕事は早いに越したことはありません。ですから、作業量が極端に少ないと、ふるいから零れ落ちてしまうのは想像できますね。

② 作業曲線(1分ごとの計算量の変化)→ 性格・行動面の特徴
作業曲線とは、作業量の変化をグラフ化したものです。1分ごとに計算を行いますが、必ずしも同じ速度で計算ができるわけではありませんよね。その作業量のでっぱりひっこみを見ることで
「スタートアップが遅い。柔軟性に欠ける」などを判断します。

③ 誤答  (足し算の間違い)→ 性格・行動面の特徴
同じ作業を続けていくと間違いも出てくるもの。この間違いの数の推移で、作業に対する向き合い方もわかります。
「間違いが多い。あまり理解せず軽はずみに仕事に臨んでしまうタイプだな」
というように。

 

では理想的な結果は?と言えば、各企業によって基準が違うので、一概には言えません。

以下はクレペリン検査にて脱落する可能性が高い事項です。

 

  • 1分間の作業量が半分未満
  • 誤答が極端に多い
  • 1分間ごとの作業量が極端に増減し過ぎる
    ※極端を嫌う傾向にあります。

理想的な作業曲線は、試験前半は作業量が多く、中盤ゆっくり落ち込み、終盤盛り返す、試験後半は前半より開始当初は作業量が増えるものの、徐々に低下という形のようです。

参考になさってくださいね。

2018/09/27

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