就活コラム

IT業界はブラックなのか?経験者が語る実態とは

2017/11/28

Column

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1. PG(プログラマ)とSE(システムエンジニア)の違い

まず、ご存知の方も多くいるかと思いますが、PG(プログラマ)とSE(システムエンジニア)の違いについてお伝えします。PGとSEは、しばしば家を建てることで例えられているのをご存知ですか?PGは大工として実際に家を建てる人、SEは家の設計をする人だと言われています。

 

しかし実際のところ、単純にこの2つの職種が全く別の職種というわけではありません。SEはプログラムが理解できていないとなれない職種ですし、PGはSEが作成した仕様書(プログラムの設計書)が理解できないとプログラムが組めません。PG、SEの仕事内容は企業によって様々ですが、ここでは一般的な業務内容を記載します。

 

・【上流工程】SEの仕事とは
顧客との打ち合わせや仕様書の作成、プロジェクト管理(スケジュール管理)、納品、サポートが主な業務です。

 

・【下流工程】PGの仕事とは
SEが作成した仕様書を元にプログラミング、テストが主な業務です。

 

SEもPGもプロジェクトと呼ばれる、案件(顧客から依頼されたシステム開発)を達成する為に作られる小さな組織で業務を遂行します。

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2.残業や休日出勤ばかりって本当?

IT企業は一般的に「残業が多い」「休日出勤が多い」というイメージが強い方も多いと思います。実際、私が勤めていたIT企業も殆どの社員が何らかの理由で残業や休日出勤をしておりました。

 

では、なぜ残業や休日出勤が発生するのか、主な理由をお伝えしましょう。

 

①納期が短い
・営業が取引先から仕事を得る為に、納期が厳しい案件でも受注した場合
・受注前の見積が甘く、想定よりも工数が多くなってしまった場合

 

②トラブルの発生によるタスク増
・急な手戻り(仕様変更や仕様の追加)が入った場合
・下請け会社との齟齬が発生した場合
・自然災害や事故等による予期できない事態が発生した場合

 

③不具合の発生によるタスク増
・納品直前、もしくは納品後に不具合が発覚して急遽対応しなければならない場合

 

④スケジュール管理が複雑
・複数のプロジェクトに在籍していてスケジュールの調整がうまくできない場合

 

上記の4点以外にも多くの理由はありますが、上記の4点は頻繁に起こるので残業や休日出勤が状態化してしまっている企業も存在します。

 

IT業界はピラミッドのように、1次請けの企業から2次請け、3次請け、4次請け…と一つの案件を伝言ゲームのように伝えて分担しているケースが殆どです。その為トラブルも起こりやすく、残業や休日出勤をせざるを得ない場面が出てきます。しかし、企業によっては定時退社日を設けたり、施錠や消灯等で強制退社によって残業を減らすための工夫をしたりしている企業もたくさんあるので、毎日残業で帰れない企業ばかりではありません。

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3.仕事がきつい? 辞める人が多い? 本当のところは?

IT業界は成長段階の業界です。よって急速に環境が変化し続けている為、短いスパンで開発環境が変わり続けています。その為、PGもSEもこの変化に対応しなければなりません。変化に追い付く為に常に勉強も必要で、これができれば安泰、という確定的な物が殆どありません。また、前述の残業や休日出勤が多いこともきついと言われている一因です。更には、プロジェクト達成の為にはコミュニケーションが不可欠で、一人だけスキルが高くてもプロジェクトは上手くいきません。

 

すなわち、変化を受け入れられない人や自分の時間を優先したい人、コミュニケーションが不得意な人にとってはきつい仕事に感じるかと思います。逆に、新しいことに挑戦したい人や人との関わり合いが好きな人にとっては魅力的な仕事になるかと思います。

 

ところで、IT業界は離職率が高くない業界です。厚生労働省が発表している平成28年度の情報通信業の離職率は10.2%でした。また、スキルアップや収入アップの為の業界内転職も多く、PGやSEを辞めずに転職している人も多くいます。常に求人が出ていることで不思議に思っている人もいると思いますが、それは常にPGやSEが不足しているからです。年々システム開発の案件は増えていますが、開発者が不足している為に年中募集している状態が何年も続いています。

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4.やりがいや魅力がある仕事

私がPGの時に一番良かったと感じたのは、やりがいがあったことでした。日常生活で使う物のシステム開発に携わり、そのプロジェクトが終了した時は何とも言えない達成感がありました。

 

現在、毎日使用しているスマートホンも自動車や駅の改札も家電もスーパーやコンビニのレジも、日常生活の殆どの場面で多くの人がシステム開発の成果の恩恵を受けています。例え小さなシステムであっても、誰かの役に立っていることは大きなやりがいになります。

 

また、常に新しい事に挑戦し続けられることは魅力的です。30年前には無かった音楽配信や20年前には無かったスマートホンがITの革新によって一般化しました。このように、時代を切り開いていると言っても過言で無い業界で仕事ができることは大きな魅力です。

2017/11/27

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