コラム

プロシューマー(生産消費者)社会の到来か

2018/08/30

Column

プロシューマ―(生産消費者)型社会の到来について、今後時代の流れはどのように変化していくのでしょうか。

この記事では、そもそもプロシューマ―(生産消費者)とはどういったもので、これからプロシューマー(生産消費者)がどのような広がりをみせるのか、具体例を交えながらプロシューマー(生産消費者)の今後について予測してくのと同時に、プラットインの目指すプロシューマ―(生産消費者)型サービスとは何なのかをお伝えしていきます。

01

企業と個人の垣根がなくなる時代到来か

これからは、企業と個人、生産者と消費者の垣根がなくなる時代が到来すると予測されます。 消費者がものを売り、新しいものを創り、プロシューマ―(生産消費者)型の社会になっていくでしょう。

具体的な例として「メルカリ」が上げられます。 本来メルカリはフリママーケットであり、原点は商品を売ったり買ったりするというところにあったと思います。 従来のフリーマーケットというのは、出品者がいて、買いに来ている人がいて、という風に生産者と消費者が明確に分かれていました。 しかしメルカリでは、本来買うばかりだった人が簡単に売り手になることもできるのです。 その手軽さが消費者のニーズに合致し、メルカリでは販売する側と購入する側、両方の立場になっている方が大多数を占めていると思われます。 さらに自分で商品を売って儲けたお金でさらに別のものを購入する、その一連の流れがメルカリ内で完結できるようシステムとして確立されているのです。

こういった生産者と消費者の境目がなくなる状況が、今後どんどん他の産業でもでてくる時代になりつつあるといえるでしょう。

また実際に、普通の主婦で商売っ気がまったくない私の妻が、メルカリで販売も購入もする様子を見て、今後は今まで生産者と見られなかった層が、プロシューマ―社会を広げるのかなとも感じました。

02

プロシューマー(生産消費者)とは?

プロシューマー(生産消費者)とは、未来学者アルビン・トフラー著の『第三の波』の第20章で示された概念のことで、生産活動を行う消費者をさしています。 今まで消費者としてお金を払う方だった個人が、価値を創造する生産者になっていくということです。 人は新しいものが好きで、常に既存以上のものを求めています。 さらに現代は、インターネットの普及であらゆる情報を生産者も消費者も同じように得ることができます。 個人が得られる情報量が増えたことで、「価値」に対して、消費者の中では「お金を払う」だけでなく「自らでつくりだす」という選択肢も出来て、そのような考え、行動習慣がスタンダードになりつつあるのではないでしょうか。

そもそもプロシューマ―の発端は、1970年代にヨーロッパ内で個人が手軽にできる妊娠検査の商品が薬局に並んだことからはじまったと言われています。 これまで医者や研究者といった、限られた人でしかできなかったことが、ごく一般人でも簡単にできるようになったのです。

それだけではありません。医学を学び知識を身につけた人が聴診器などの医療機器を扱うようにもなり、検査や簡単な手術さえできるようになっていきました。

「価値は、与えてもらうのではなく自分たちでつくりだす」

この流れは、近年でさらに加速しています。なので今後は、新しい価値のためのアイディアや技術があれば、誰もがプロシューマ―として活躍できる時代になってくるでしょう。

03

プロシューマー(生産消費者)が広がりをみせる

プロシューマ―型サービスとなり得る会社は「メルカリ」だけにとどまりません。 「Airbnb」や「Uber」も含めて、プロシューマ―が活躍できるサービスはどんどん広がりをみせております。

たとえば「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、「家を貸し出したい人」と「家を借りたい人」をマッチングするサービスを提供しています。

このサービスはいわゆる「民泊」にあたりますが、民泊といえば、以前まで特定の免許を持っている人でしか有料サービスとして提供することができませんでした。しかし東京オリンピックを控えた日本では、外国人観光客の増加に対して様々な取り組みが実施されています。そのひとつに民泊に関する法の規制緩和があり、免許のない個人でも民泊をビジネスとして成り立たせることが可能となってきているのです。Airbnbが家を共有するプラットフォームとしてユニークなのは、世界中のありとあらゆる部屋を借りれるところです。一軒家の一室からホテルの船内、お城など、あまり利用する機会の少ない部屋を利用することができます。

Airbnbは世界各地で普及しているサービスなので、旅行にいった先々でホームステイ感覚で部屋を利用でき、各土地の文化をリアルに体感することも可能なのです。企業ではなく個人、生産者ではなくプロシューマ―(生産消費者)だからこその提供できる価値が創造されたと言えるでしょう。現在は多くないかもしれませんが、貸主が借主となり他の物件に民泊しているケースもあると言われています。

また、「Uber(ウーバー)」に関しても同じようなことが言えます。Uberは世界各地で注目されている配車サービスのことで、「車と空いた時間を活用したい人」と「車を手配したい人」を手軽にマッチングさせることができます。

Uberのサービスはスマホアプリで提供されており、個人が身分を登録することで誰でもドライバーになれるのが特徴です。顧客側としては、タクシーのようなプロがサービスを提供しているのではないことが不安要素としてあげられます。しかしUberでは、ドライバーも顧客も相互評価するシステムがあるので顧客だけでなくドライバーにとってもお互い信頼性を保ちながら安心して利用できることを可能にしました。

Uberでも一般の方が収益を得る生産者側になることも可能ですし、もちろん顧客として利用することも可能なサービスと言えます。Uberは2017年の時点で、海外ではすでに70か国以上、450都市以上の地域で展開されています。ただ、法律の問題によって普及が難しい国も数多くあります。日本も法規制がある国の1つで、営業許可証がない自動車でサービスを提供することは法律で禁止されています。なので車を手配する消費者の立場としてUberの利用は可能ですが、国内でプロシューマ―(生産消費者)としてドライバーになることはまだ厳しいと言えるでしょう。

このように、プロシューマ―の広がりが加速する一方でどうしても壁になるのは法規制に関する問題です。Airbnbのように一部では展開できたサービスはあるものの、すでに海外で展開しているプロシューマー型のサービスは、日本においてほとんどが法規制で普及できないものやグレーゾーンのものが多い印象を受けます。

なので今後さらなるプロシューマー型サービスが広がろうとするとき、国がどれだけ意識改革するのか、どれだけ法規制を緩和させるか、それによって新しい産業も生まれ、新しい雇用も生み出し、新しい経済価値も広がると私は思っています。

その広がりをつくるためにも、リスク事項や利害関係者に対する配慮をすることが、日本での成功の鍵ではないでしょうか。

04

プラットインはプロシューマー(生産消費者)」型サービスを提供する会社を目指す

プラットインは、今後訪れるプロシューマ―(生産消費者)型社会のプラットフォームやインフラを提供する会社を目指しています。

その第一弾がプラットインが提供する「ロジデリ」という物流分野のサービスです。

2019年始動予定のサービスになり、詳細はまだ控えさせていただきますが、ロジデリは今までにない新しい価値を持つ配送サービスに今後なっていくことは確かであり、まさにプロシューマ―型サービスになることは間違いないと思っています。

株式会社プラットインは、世の中に必要な、なくてはならないプラットフォームやインフラを創ることをミッションとしています。 今後到来するであろうプロシューマ―(生産消費者)型の社会においても、常に新しい価値や文化、プラットフォームやインフラを提供する会社として走り続けたいと思います。
そして、平成の後の元号は、まだ決まっていませんが、新しい元号では産業の象徴(括り)として『プロシューマ―(生産消費者)社会』の時代になると勝手に予想しています。 最後まで読んで下さりありがとうございました!

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